• こう書いても何も変わらないことを承知で書くと、いそがしいいいいいい。

 わたしは死んだ事がないので、死が最悪の不幸であるのかどうかわかりません。他者になった事もないから、すべての命の尊さだの素晴らしさだのも、厳密にはわからないままかも知れません。
 そのせいか、時に「誰もかれも」の「死」の数で悲劇の重さを量らねばならぬ「戦災もの」を、どうもうまく理解できていない気がします。
 そこで、この作品では、戦時の生活がだらだら続く様子を描く事にしました。そしてまず、そこにだって幾つも転がっていた筈の「誰か」の「生」の悲しみやきらめきを知ろうとしました。
(「あとがき」より)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

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この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

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